アイ・ロボット

 今、ロボット開発が急速な勢いで進んでいる。そのロボットは従来型の工場ロボットではなく、私達の生活に

直接関係するようなロボットである。既に掃除ロボットなどは実用化されている。その他はまだイベント用の域を

出ないが、人型のロボットである。歩行はもちろん、少しくらいなら飛び上がることも出来ると言うから素晴らしい。

先日はスキーが出来るロボットも紹介されていた。すでに動きだけは人間により近いものが出来ているようだ。

ロボットと言えば我々世代のものは鉄腕アトムや鉄人28号を思い出すが、そんな夢のような時代が目の前に

来ている。

 さて先日は、少し前から上映が始まった「アイ・ロボット」という映画を見てきた。ストーリーは実に単純で、

ロボット達がある日突然、人間の命令を聞かなくなり反乱を始めるというものである。その事を早くから予感して

いた博士が謎の死をとげる。その事件を解決すべく一人の刑事が活躍する。彼もまた博士によってなくした

機能を回復した一人だった。失われた右腕はロボットの機能を取り入れた人工の腕だった。こうして映画では

激しいアクションが展開される。アクションとSFが一緒になったアメリカらしい映画だ。

 ロボット集団の反乱は、進化したロボットが「ロボット三原則」を無視して行動するようになった事が原因だった。

自ら行動するという意識を持ち変化していったのだ。本来は人間の介添え役に過ぎなかったロボットだったが、

改良が重ねられるうちに進化したのだ。

 しかし、ロボットの反乱は遠い先のこと、現在の開発はより人間に近いものを目指している。従って、体の

機能だけでなく、脳の部分にも新しい開発や改良が加えられている。いずれは人間にも負けないようなロボット

が現れるかも知れない。

 アメリカ軍は兵士に変わるものとして、戦争用ロボットの開発に目を向けている。いずれ近い将来、人間の

代理としての兵隊ロボットが出来てくるかも知れない。今でさえ巡航ミサイルによる攻撃など、目に見えない

戦争だと言って批判されている近代戦争である。ロボットが代理戦争をするようになれば、ますます人間の

苦しみや戦争の悲惨さが見えない戦争になってしまう。

 話は少し横道にそれてしまったが、今回の映画で何が良かったかというと、ストーリーの面白さではなく映像

そのものであった。どこからが実写でどこからがCGなのか見分けがつかなかった。ロボット達の表情などにも

工夫があって大変ユニークだった。本来ロボットは表情を持たない。人間のような表情を持つものは、わずかに

チンパンジーなど限られた霊長類だけである。"のっぺらぼう"のような白い顔に笑みを浮かべるところなどは、

ユニークさを通り越して何かしら不気味ですらある。

 人間の顔には表情を作り出す複雑な筋肉がある。ある大学ではシリコンゴムで作った顔の下に、筋肉に

当たる機能を作って表情を作り出すことに成功している。受付などに使うロボットとして開発されているようだ。

これらの機能を開発するために大勢の人の色んな表情を写真に写して研究したと作った人は話していた。

 ともあれ人間のそばにロボットが来る日は近い。反乱などない平和共存のロボット社会であって欲しいもの

である。そして、来たるべきロボット社会が、私たち人間にとって幸せを約束するようなものであって欲しい。

                                            2004年10月7日掲載

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