2000年の果樹畑

 西暦2000年、とは言いながら我が家の果樹畑にさしたる変化があるわけではない。毎年同じ

事の繰り返しの中で月日は過ぎてゆく。春が来たと思っていたら、もう夏である。季節の移り変わり

は早い。

 果樹畑は日々変化している。昨日まで青かったものが今日は色づき始めていると言った具合だ。

そして、農作物の出来、不出来もはっきりしている。昨年は全く収穫できなかったものも、今年は

何とかなりそうなものもある。又、その反対のものもある。出来の良いものと悪いものが交互に

繰り返されているようだ。

 そんな果樹畑の様子を昨年の補足記事として書いておきたい。少しは参考になるものがあれば

良いのだが。

                                           2000年3月制作開始


トピックス

柑橘類に怖いダニの被害

 3年ほど前から少しずつその被害は現れていたのだが、原因が分からなかった。果皮が黒ずんで

固くなるのである。これがダニによる被害だと知ったのはつい最近の新聞の記事であった。

 0.1ミリという目に見えないようなダニが果皮の表面から養分を吸いとってしまうために果皮の

成長が止まり固くなってしまうもののようである。「ミカンサビダニ」と言う。生産農家にとっては商品

としての価値を失ってしまうから、死活問題である。

 ダニも通常のダニ剤では効かなくなってきているのが原因のようだ。薬剤の多用による耐性が

出来てきているようだ。従って、色んな殺ダニ剤を試して見ると良いのではないだろうか。

 散布時期は6月下旬に一度、それでもだめなら8、9月にもう一度散布すると効果的だとのこと。

すでに歯裏にはたくさんのダニが取りついている。これらのダニ退治が果実をダニの被害から守る

事になる。

柑橘類の思わぬ効用

 どうして知ったのか記憶はない。柑橘類の果汁を肌に擦り込んでおけば、蚊の被害を押さえ

られる。今年もすでに何度かお世話になっている。取り残しの橙の実を輪切りにして、手足や

顔に擦り込むのである。不思議に蚊は近くまで来るのだが逃げていってしまう。恐らくは柑橘類

特有の臭いが蚊にとってはいやなのだろう。柑橘類の果汁は肌にも良いのでお勧めである。

今年の夏の畑仕事は少しだけ快適のようだ。

                                         2000年6月26日掲載


3月30日(晴れ)

 剪定後、石灰硫黄合剤を散布しようと考えていたのだが、チャンスを逃してしまった。夏になって

カイガラムシなどの被害が出なければ良いのだが。

 ビワは花が終わり、実が大きくなり始めている。サクランボは少しピンク色をした小さな花を

付けている。スモモや桃、梨やリンゴと言った果樹の蕾も次第に膨らみを増している。もうすぐ

畑は桃源郷の様になることだろう。

 今年の1、2月は何かしら忙しく、とうとうマシン油乳剤も石灰硫黄合剤も散布できなかった。

そのせいでもあるまいが、ネクタリンや桃の縮葉病の被害が大きかったような気がしている。

あるいは春先に温度が上がらなかったせいかも知れない。=縮葉病の被害は気温に左右される。

5月28日(日)晴れ

 5月28日現在の状況は下記の通りである。もも(白桃)の袋かけを手始めにリンゴ、なし、そして

ネクタリンと順番に袋かけをしている。今年はリンゴの富士が裏年となったので袋かけは昨年よりは

少ない。なしの出来も良くない。ネクタリンと桃は昨年並みだろうか。

 毎年の事ながらネクタリンの袋かけがいつも最後になってしまう。そんな訳で袋をかけようと

思った頃にはカメムシやカミキリムシやゾウムシにあらかたやられている。満足な実はほとんど

なくなった状態だ。その上縮葉病の被害もあり、手入れをしながら袋をかけてゆく。手間のいる

仕事だ。

 今日も強風の中、アクロバットのような格好をしながら袋をかけてきた。スモモのアブラムシによる

被害がひどい。気候のせいだろうか。枝の剪定をもっと思い切ってする方が良いようだ。風通しの

良くないのも原因の一つかも知れない。

 昨年、大収穫であったハッサクの木を思い切って剪定した。剪定した枝の根本あたりから新しい

芽がたくさん伸び始めている。この枝が充実する再来年あたりから本格的に実を付け始めること

だろう。

 昨年不作だったミカン、ユズ、伊予柑、レモンにもたくさん花が付いている。豊作が予想される。

素人栽培なので豊作の年があれば、裏年もある。

 柿(富有柿)の木は二本あるので交互に裏年を繰り返している。渋柿は剪定後一年を経過し、

たくさん花を付けている。へタムシの被害さえ少なければ豊作は疑いなしだ。その代わり熟柿

(西条)は裏年のようだ。

 鉢作りのリンゴと桃は木が大変弱っている。何が原因だろうか。枯れずにがんばって貰いたい

ものだ。鉢植えのスモモに初めて実が付いた。何個かは収穫できそうだ。

 プルーンはたくさん実が付いている。思い切って剪定したのだが、その影響はなかったようだ。

 ビワは大豊作だ。一昨日あたりからカラスがさかんに様子をうかがっている。早速防鳥ネットを

張った。効果はてきめんで、集団で来ていたカラスもあきらめたようだ。地元に居着いたカラスも

近くには来るのだが警戒して近寄らない。ヒヨだけが恐れ気もなくつついてゆく。

6月1日(木)晴れ

 6月1日、少しだけビワの収穫をしてみた。少し酸味はあるようだが、食べられないことはない。

間引きが十分でなかったので、実が全体に小さい。失敗だったようだ。やはり思い切って少なく

する方が良いようだ。なかなかうまくはいかないものだ。これが素人栽培というものだろう。

 梅は木が大きい割には収穫が少ない。その上、虫の被害がひどく3分の1位は傷物となって

いた。全ては焼酎漬けにした。4キロぐらいだろうか。スモモはまだ青い。

 青空の下でゆすら梅が赤く熟れ熟れ始めている。びっくりグミや桑の実も色づき始めている。

ブルーベリーもたわわに実を付けている。これから小果樹の収穫が始まる季節だ。

6月11日(月)曇りのち晴れ

今年はこのかご3杯くらいの収穫があった。  2000年6月8日撮影

 このページのアップロードをしないままに、書き足し書き足しをしていて6月11日になってしまった。

ビワの収穫は今日の早朝終了した。カラスよけのネットをはずし、残りのビワは小鳥たちにやること

にする。収穫の途中でも恐れ気もなく、ヒヨやメジロたちが沢山飛んでくる。彼らにとっては、またと

ないご馳走なのだろう。少しだけお裾分けをする。

 それにしても今年の収穫はすごかった。かごに3杯はある収穫だった。少し小さいのは実の付け

すぎが原因であるが、甘みは十分であった。実をもぎながら口にする甘さは、格別なものがある。

栽培する者のみが味わえる喜びのひとときではないだろうか。

 そんな事をしている内に、あんずやスモモの収穫期が近づいている。キウイも花が終わり沢山

実が付いている。キウイは昨年の裏年になるかと思っていたが、杞憂に終わったようだ。

6月25日(日)雨のち曇り

     

柿の実が少しずつ大きくなり始めました。右はプルーンの実です。  2000年6月20日撮影

 収穫が終わったビワを思い切って剪定したが、懸念したこともなく元気な芽が、少しずつでは

あるが伸び始めている。

 鉢植えのスモモが熟れて初収穫となった。しかし、ヨトウガの被害は民家の近くでも関係なく、

熟れたものから順番に果汁を吸われて、それが原因ですぐに腐り始めている。

 巨砲の実が大きくなり始めている。今年はチャノキイロアザミウマの被害を早めに食い止める

ためにパダン水和剤を早めに散布したので何とか被害を最低限に食い止めたようだ。

 柑橘類にはダニの被害が広がり始めている。アカールなどの殺ダニ剤の散布が必要か。

7月16日(日)晴れ

 今年は空梅雨のようだ。畑にとっては深刻な水不足が予想される。我が家の畑ではすでに

散水を開始している。果樹にとっても野菜にとっても雨水に頼っていただけではとても栽培

できない。ましてや我が家のように地下水とは縁のない山の上では尚更である。

 ブルーベリーが一粒ずつ色付き始めた。ブルーベリーは一度には熟さない。ジャムなどに

加工したいときには冷蔵庫などに入れて蓄えておいて、必要な分量が貯まったら加工すると良い。

 柑橘類は水不足からか実が落ち始めている。このままいくと幾つくらい残るのだろうか。葡萄は

巨峰の袋掛けが終わった。今はデラウエアの袋をかけ始めている。すでにかなり大きくなっている。

 桃も水不足で実が大きくならない。これからはヨトウガの被害が心配だ。昨年はあれだけ収穫

できたスモモが今年は全く収穫できなかった。消毒が十分でなかった事と裏年が重なった結果

だと思われる。

7月22日(土)晴れ

 一昨日の宵の口に、やっと夕立があった。何日ぶりかの雨だった。しかし焼け石に水のような

もので、乾き切った畑には、ほんのお湿り程度にしかならなかった。

 ここのところ、何日おきかに散水をしているが効果は少ない。すでに柑橘類の多くは余分な実を

落とし始めている。キウイは葉が黄色くなり生気がない。プルーンは夏特有の脂を幹のあちらこちら

から吹き出して、せっかくの実も収穫を待たずして落ちつつある。何とか良いのは葡萄、柿くらいの

ものだろうか。

    

袋掛け前の左(デラウエア)と右(巨峰)   2000年7月中旬

 昨日、桃の「白凰」を収穫してみた。水不足で実太りは良くないが、甘みは十分だった。もう少し

するとリンゴの「津軽」が収穫可能になってくる。

 葡萄は巨峰、デラウエアにそれぞれ袋をかけ終わった。桃はヨトウガの被害を最小限に

くい止めるために二重袋にしてみたが効果はどうであろうか。

7月30日(日)晴れ

 暑い、とにかく暑い、じっとしていても汗がにじんでくる。台風6号は動き始めたようだが、この辺

には一粒の雨も降らすことなく行き過ぎていくようだ。先日の雨も焼け石に水のようだった。

 キウイは再び葉を垂れて水不足は深刻だ。少し油断をしていたら桃{清水白桃」が熟れ始め、

中にはすでにヨトウガにやられたり、熟したままで腐り始めたものもあり、収穫のタイミングの

難しさを改めて感じさせられた。やはり気温が高いせいではあるまいか。小粒だが味は上々だ。

 ブルーベリーの二本目の木はやっと色付き始めた。本格的な収穫はもう一週間と言うところ

だろうか。

 リンゴの「津軽」は少し粉っぽい感じがして収穫には少し早いようだ。プルーンは濃い紫色に

色付き始めている。これも今週位からが収穫出来るようになるようだ。うばめがしの垣根の剪定を

やっと終了した。毎年夏の真っ盛りにやっている。本来ならもっと涼しくなってやっても良さそうな

ものだが、お盆が近いことを思えばやはりお盆前には済ませておきたいのが人情というもの

であろう。

9月16日(土)晴れ時々曇り

収穫が済んだばかりのプルーン   2000年9月16日撮影

 今年も日めくりの残り枚数も少なくなってきました。そして、暑く長い夏がやがて終わろうとして

います。果樹畑は夏の間はただただ水やりの毎日でした。何かを書き残したいと思いつつ、書く

気力もなく書くほどの変化もなく、早く雨が降って欲しい、そんなことを空を見上げながら考えて

いました。

 やっと雨も降り、涼しくなり始めた今、ここで改めてこの夏をふり返ってみたいと思います。今年の

夏は梅雨らしい雨もなく、早くからかんかん照りの毎日でした。異常に気温が高く例年になく害虫の

発生が多かったようです。つくつくぼうしも7月の下旬頃から鳴き始めましたし、腐った桃には珍しい

ほどたくさんカブトムシが寄っていました。こんな具合ですから当然、害虫の発生も多くカメムシや

ぐんばい虫、色んな蛾の幼虫、アブラムシ、ハダニ類等々、数え上げればきりがないくらい種類も

多く大量に発生しました。本来なら防除のために何度か農薬を散布するのですが、少し動いても

汗だくとなり、為す術もなく呆然と眺めていました。

 結局、児島一帯には雨は1ヶ月以上降りませんでした。おまけに最高気温が36℃を超えるような

日が何日も続き、夜間でも30℃から下がりませんでした。畑は焼け石状態で撒いた水も瞬く間に

蒸発してしまうような有様です。夕方やった水も朝方にはすでに乾燥し始めているような状態です。

散水設備も二つの蛇口から二本ずつ、4個の散水器で散水していました。

 果樹作りを始めて30数年間、こんな年は初めてでした。従って、夏の収穫はほとんど壊滅状態

でした。桃とプルーンが少しだけ、そして毎年、ヒヨの餌になっていたブルーベリーが防鳥ネットの

効果もあって収穫できました。

 昨年成績の良かったネクタリンやナシ、リンゴの津軽などは収穫出来ませんでした。わずかに

収穫したものもヨトウガにやられていたり、カメムシにやられた後遺症の残ったようなものばかりで、

満足なものはまったくありませんでした。元々、実の付き方も少なかったのですが、水不足から

実太りも悪く、味も外見も昨年に比較すると格段に品質の劣るものでした。

 この厳しい夏を乗り切ってきた柑橘類とキウイの収穫のみが多少期待できそうです。特にユズ、

レモンは昨年が裏年でしたから、今年はたくさん実を付けています。

 本当に農作物の出来、不出来はお天気次第です。今年のように水不足に悩まされる年がある

かと思うと、来る日も来る日も雨が降り日照不足の年もあります。出来ただけのものを感謝しながら

頂くことにしています。


 今年の夏はことのほか気温が高く、雨の少ない夏だった。梅雨と言っても6月下旬から7月の

上旬にかけてほんの申し訳程度に降っただけだった。それだけの雨では、とても長い夏は

越せそうもなかった。そんな懸念が見事に的中し、1カ月以上の長期に渡って雨らしい雨は

ほとんど降らなかった。やむなく、ほとんど毎日、上水と井戸水とをフル動員して灌水を行った。

特に地下水位の高い山手の畑では、いくら散水しても周辺の大木がすぐに吸ってしまい、

かんかん照りの天気とあいまって、毎日の散水も追いつかないような有様だった。

 特に、大木の根元にあるキウイの被害はひどく、しおれただけではなく、自己防衛のためか

成長途中の葉まで落ちてしまい、せっかく大きくなり始めていた実も途中で玉太りが止まって

しまった。柑橘類のような乾燥に強い果樹類も葉にみずみずしさがなく、実の大きくなる時期

なのに、いっこうに大きくならなかった。

 そんな長い長い夏も終わり、やっと秋口になって申し訳程度の雨が降った。しかし一度や

二度の雨では、とても夏の乾燥は取り戻せず、例年であればとっくに片づけているはずの

散水ホースは12月までそのままの状態だった。秋になっても乾燥と高温期は続き、何度か

散水を行った。

 そんな果樹にとっては決して好ましくない悪い気象条件だったが、気温が下がり始めると

一斉に元気を取り戻し、散水や雨が降る度に成長の遅れを挽回するように、大きくなり始めた。

今までほとんど目立たなかったユズなども実が大きくなると、こんなにたくさんなっていたのかと

驚いたくらいだった。裏年だと思っていたハッサクもいくらかは実を付けている。ユズとレモン、

温州みかん、夏みかん等は大豊作となった。

      

例年になく大豊作となったユズ

 12月上旬、ユズはたわわに実を付け、黄色く熟れて枝重く垂れ下がっている。レモンも一昨年

と同じように大豊作だ。温州みかんは昨年ほとんど実を付けなかった分、今年は大豊作で支柱

をしていてさえ、大きくなった実が地面につくほどになっている。

       

レモンもごらんのように豊作でうっすらと色付き始めている

 夏みかんの豊作はハッサクの裏年を埋めてくれそうだ。今年剪定をしたハッサクは実の付きが

少なかった分、一つ一つの玉太りが良く、赤ん坊の頭ほどの巨大なものが重たげに垂れ下がって

いる。その他、安政柑や伊予柑等も家族で味を楽しむ程度には出来ている。蜜柑は冷え込みが

厳しくなり始めると一段と甘さを増す。

    

枝も重たげな温州みかん

 枇杷が早い花を開いている。枇杷の開花時期は長い。ほんのりとさわやかな香りを周辺に

漂わせている。これからは急速に気温が下がり、寒い冬を迎えることになる。

 ダイダイなどの柑橘類の色が一層鮮やかになる季節だ。家の前の富有柿も収穫が終わった。

渋柿は吊し柿となり、丁度食べ頃の甘さになっている。

 冬は枝の剪定や寒肥、マシン油乳剤等の散布の季節だ。しばらくは忙しい日が続きそうだ。

大木となったスモモの枝を思い切って剪定するつもりでいる。   


トピックス

 異常な暑さは果樹の開花期までも狂わせてしまったようだ。我が家のきんかんは何度も花を付け

その内のいくつかはちゃんと実となり大きくなっている。

ちゃんと実が付いているのに、また花が咲いたきんかん

                                                         2000年12月31日掲載

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