キネマの僻地

趣味の部屋へ

このページは、社員の方達が観た映画の感想を書いています
あくまで個人的な主観ですので
気になる方はぜひ映画館に足を運んでみてください。

ヴィドック

フランスがCGなどをがんばって作った意欲作です。
1830年のパリで探偵のヴィドックが鏡の仮面をつけた男に殺されたことから物語 りが始まります。
中年の太ったおじさんのヴィドックですが仮面の男相手に大立ち回りでなぜかかっこ いいです。
敢え無くやられてしまいますが、相棒の男とヴィドックの自伝を書こうとする若い男 がその謎を追います。
しかし次々と証人が殺されてしまい、そして最後に残った目撃者に会った時すべての 謎が明らかになります。
石畳の上を馬車が走り回る町をCGでみごとに再現し、独特の色彩感覚はハリウッド映 画に見飽きたあなたにおすすめです。
最後の以外な犯人もミステリーファンを満足させることができるでしょう。
さすがにフランス語はぜんぜん解らないので一生懸命字幕を読むのにつかれました。

オーシャンズ11

イオン倉敷で2スクリーン使っての大公開作品です。
一言で言えばドロボウさんが10人の仲間を集めてラスベガスのカジノのホテルの金 庫からお金を奪うお話です。
最近はやりの犯罪映画で、アクション娯楽映画としてはテンポもよく楽しめますが、
ミステーリマニアの目から観ると、どうしても犯罪そのもののテクニックがいまいち 甘く、
最後の脱出方法もよくある手なんでがっくりするかもしれません。
やっぱりルパン三世にはかないません。去年のソードフィッシュの方が上でしょう。
ただ、主役のジョージクルーニーの相棒役でブラッドピットが静かに自分の役をこな してるのがいいです。
どんな役でもサラリとこなす彼はとっても良い人かもしれません。


名探偵コナン「ベイカー街の亡霊」

劇場版、名探偵コナンの今回の事件は、バーチァルリアリティー の新作ゲームの発表会に招待された、
各界の二世、三世の子供達に忍び寄る恐怖とは?。
ゲームの中で100年前のロンドンを舞台にあの切り裂きジャックを追うコナン達、 しかしこのゲーム、上手く切り裂きジャックを
捕まえてゲームをクリアしないとそのまま目を覚す事がなくなる死のゲーム。この世 界の中ではコナンのいつものアイテムは使えない。
さてどうやってこの未解決の事件を解決するのか。
今回の脚本を野沢 尚が担当してるみたいです。彼の代表作はドラマ「眠れる森」映 画では「破線のマリス」なんてのがありますが、
本格ミステリーファンの私としては評価は低いです。ただコナンというキャラクター に助けられ、切り裂きジャックの謎にも一つの解答を、
用意していることもあり、なかなか見ごたえはありました。
見ている子供達にもこれからの日本についてのメッセージがあるのですが、いったい 何人の子供の心に届いたのでしょうか。


突入せよ あさま山荘事件

連合赤軍が人質をとって山荘に立てこもった、長野県警を指揮す る為警視庁から派遣された佐々(さっさ)は、
無事人質を奪回できるのか。長野県警はなかなか協力してくれず、銃器の使用も上の 許可が必要だった。
信頼できるのは、自分の経験だけと言う中、睨み合いを打ち崩すある秘策を実行に移 すのであった。
主人公の佐々自信の原作による映画化なので警察内部の動きが良く分かって面白い。
ただその分、犯人側の山荘内部の様子は一切描かれてないのが残念だ。その当時の彼 等の主義主張を、それが良いか悪いか関係なく
映画の中で、叫ばした上えで警察との戦いが見たいというのは、事件をリアルタイム で経験できなかった私だけではないはずです。
軽く楽しめる御手軽ハリウッド映画ばかりでなくたまには無骨な邦画もいいものです。
映画の最初に「これはフィクションです」なんて流すのは道化役に回ってしまった長 野県警のおえらいさんへのフォロー
なのでしょうか。ただ最後に突入に志願した長野県警の若い警官はかっこよかったで す。


サウンド オブ サイレント

10年前銀行の貸し金庫を襲った強盗が仲間割れ、奪った宝石を 隠した男は隠し場所のキーワードを、
娘に託した。そして10年後、娘は裏切られた男の魔の手を逃れるため精神病院に患 者のふりをして逃げ込んだ。
ここで登場するマイケルダグラス扮する精神科医。ある朝自分の娘が誘拐され、例の 患者の娘からキーワードを
聞きだせとの要求。さて二人の娘の運命はいかに。 と、ここまでストーリーを聞く とたいへん期待がもてる映画のようですが、
サスペンスの盛り上げ方に問題があるようです。ヒッチコックばりの巻き込まれ型の サスペンスも監督の演出によっては、
こうも違う物なのでしょうか。せっかく取り上げたアイデアがなかなか斬新だったの に残念です。
こうなると、同時期に公開されている。「パニックルーム」は粗筋だけ読むとそんな に期待されるものではないけど、
「セブン」などで実績あるデヴィットフィンチャーだけに凄いのかもしれませんね。
やはり映画は観る物、筋を追うだけではいい映画には成らないと言う事か。


ザ ワン

 ジェット リーの最新作です。
毎回、強敵を倒して来たジェット リーの今回の相手はなんと自分自信。
この世界は125ものパラレルワールドで成り立っている、そして自分という人間も 125人いる。
125人分のパワーは一人死ぬごとにのこった自分で分け合っている、という設定な のだ。
ということは、ある人間が別の世界へ次々と行って自分を倒せばパワーがドンドン増 えていき最後の一人となった時、
最強(ザ ワン)と成れるのだ。
 悪のリーが最後の一人のリーに戦いを挑む、パワーは互角生き残るはどちらのリー か。
あまりにも早い動きに相手はスローモーションで動くという撮影は、
009島村ジョーの加速装置の実写版を見てるかのようですごい。
二人のリーが戦っているシーンはどこから見ても二人いるように見えてすばらしい撮 影です。
ほとんど無駄のないストーリー展開で1時間半は退屈させないでしょう。


模倣犯

宮部みゆき原作のミステリーの映画化です。
昔、角川映画のコピーで「読んでから観るか、観てから読むか。」なんてのがあった けど、今回は読まずに観ました。
なにせ、上下巻それぞれブ厚いハードカバーなので両方買ったらこの映画3回観るこ とができそうです。
これだけ長い原作を2時間にまとめるにはどこかに焦点をしぼらないといけないので、 この映画の場合は連続殺人の被害者
達の生活や心の葛藤を中心とした分、犯人側の生い立ちから事件を起こすまでや、そ のあと発覚するまでの描き方がややあっさりと
していた感があります。
最初から犯人はわかっているコロンボタイプの話しなので、もっと犯人側の話しを描 き込まないと、「模倣犯」という題名の
深い意味が観る側に伝わてこないのは残念です。
被害者の山崎努と犯人スマップ中居君ではどうしても山崎努が中心になっちゃうのは、 監督のキャスティングが悪いのでしょう。
あとミステリーとしての謎に辿り着いた時や、告発の瞬間の盛り上げ方や使われてい る音楽などがあまりにしょぼい。
こういうつぼを押さえないといいミステリー映画は作れないでしょう。
私が覚えている限りで、原作を超えたミステリー映画は松本清張の「砂の器」と横溝 の「犬神家の一族」ぐらいです。
いいミステリーの原作ほど、映像化が不可能というのが多いのがたまにきずです。
ただドラマとして観れば良くまとまった面白いお話です。


スターウォーズep2

3年ぶりの新作です。
アナキン少年も10年たって青年になりました。
ストーリーは至って単純、星と星との戦争です。
日本ではアニメの中で、なんどもくり返し行われている戦闘シーンが、実写となって 目の前で繰り広げられるだけで感動ものです。
他にも似たような戦闘シーンのある映画はあるのですが、やはりひと味ちがいます。
どこが違うのかというと、シーンを細かくカット割りしてスピード感をだすというの がハリウッドの常套手段なのですが、
ルーカスはけっこう引いたアングルから撮るのでどっしりと重い画となっています。 その分誤魔化しがききにくいのでCG担当の人は
大変です。これをテレビ画面でしか観ない人は可哀想です。映画館で観て始めてこの 面白さがわかるのです。
ただCGに頼り過ぎるとこが残念です。背景やメカはCGで描いても実写との違いはほと んど無いのですが、
異星人などの動きはいくらがんばってもどこかぎこちない部分が残ってしまってすぐ 分かってしまいます。
これはCGの限界なのか、コンピューターがもっと進歩すれば解決することなのか、こ れからわかることでしょう。


リターナー

久しぶりの邦画SF大作です。
80数年後の地球はエイリアンに侵略されかかっていた。
そこで最初の1匹が地球にやって来た2002年にタイムマシンで一人の少女がエイ リアンの抹殺に来るのであった。
少女に協力することになる「ミヤモト」と共にエイリアンの兵器を狙う中国マフィア との戦いが始まる。
エイリアンとの開戦まであと2日。二人は地球を救えるのか。
たった二人でマフィアと戦うのだから未来の秘密兵器が必要だ、それは009の加速 装置だ。
腕時計型の装置のスイッチを押すと20倍のスピードで動くことができるのだ。
この映像はすばらしくよく出来ていて、アメリカでも上映が決定というのもうなずけ る。
ワイヤーアクションもハリウッドほどベタではなくサラリとスマートにこなしていい です。
そしてラスト雨の中のシーンを観て「太陽にほえろ」のショーケンの殉職シーンを思 い出したあなたはステキだ。


サイン

シャラマン監督の第3弾です。
「シックスセンス」「アンブレイカブル」と最後に大きな種明かしをして驚かすとい うパターンでしたが、
今回は、細かい伏線をつなぎ合わせて最後に大きな意味を持たすという趣向です。
とうもろこし畑に現れたミステリーサークルに始まる、何かを伝えるサインの意味を 知る時家族は一つとなり、
最大の危機を乗り切ることができるのであった。  というお話です。
もともとアニメっぽいストーリーの好きな監督、でてくる宇宙人がこれまた情けない。
一応,空飛ぶ円盤に乗ってやって来てるのに、人の襲い方がそのへんの野良犬のよう です。
全てのサインが、あの一家を追い出す為にやった途方も無い罠だったという、大どん でん返しを期待してみていた私がバカでした。
最後は奇蹟がどうの、あちらの神様がどうのという結末ですが、アメリカ人には大受 けなのでしょう。
日本にはウルトラマンと仮面ライダーがいる限り、神様は必要ないのです。


完全犯罪クラブ

高校ではほとんど接点のない二人が放課後に廃屋に集まって完全 犯罪の計画に耽っていたのが、
ついに実行に移してしまう。
コロンボ風なストーリー仕立てで、殺人を実行したあと最初は偽の証拠などで警察を 欺いていたのが、
サンドラブロック扮する捜査官に見抜かれ、だんだん追い詰められる展開はなんだか 懐かしい。
ほとんど宣伝されてない映画の割りにはよくできた脚本だし、オープニングで二人が 銃で自殺を謀ろうとして銃声が
鳴り響くところからはじまって回想に入る所なんか、演出も上手い。
理論は完璧なのに高校生らしい子供っぽさで綻んでいく二人の関係を熱演してる若い 役者は新鮮でいい。
残念なのは、女捜査官の過去やらなんやらにちょっと時間を割きすぎで、サンドラブ ロックに気を使ってるのが見えて
よくないです。主役はあくまであの二人のはずです。


たそがれ清兵衛

山田洋二監督初の時代劇です。
真田広之、宮沢りえ主演で幕末頃の田舎の下級侍の生活をじっくり描いていて見ごた えあります。
殺陣のシーンもあり、痛快娯楽時代劇としては「雨あがる」よりいいかもしれません。
なによりカメラが落ち着いていてホットします。二人の会話のシーンでもいちいちセ リフの度にアップにしたりせず、
じっと背中からでも撮っているし、決闘シーンなども細かくカット割りせずワンカッ トで戦わせて緊張感を出す事に成功してます。
すれ違い様に切りあった二人のうち一人がフレームアウトしてもじっとして、血のし たたり落ちる音だけで、斬られたことを
説明してるとこなんか素敵です。
最後に井上陽水が歌をうたってますが、陽水が唄うのはいいのですが、曲は映画に合っ てるとは思いませんでした。
それにしてもカツラ被ると顔を見た事あるのに名前思い出せなくなるのはなぜでしょ う。


トリック劇場版

深夜にやってたドラマの映画版です。
「金田一少年」「ケイゾク」と映画化してきた堤監督が放つ第3弾というとこでマニ アの間では公開前から大絶賛でした。
物理学者の上田と手品師の山田のコンビが毎回インチキ占師や霊能力者のトリックを 暴くこのテレビシリーズは、
深夜の時間帯ということもあってか、初めから映画的な作りであったので、今回の映 画化されたものも違和感なくその世界に
入っていけます。ただ細かい人物紹介は無いので、やはりテレビシリーズを見た人し かこの面白さは解らないでしょう。
でもお約束の、あちこちで明かされる手品の種明かしはだれが観ても楽しめます。こ の映画からトリックのファンになる人だって
いるかも知れません。
このシリーズの一番の見どころは奇術師の山田と刑事たちの絡みがあの松田優作の 「探偵物語」(TV)を彷佛とさせるとこ
なんですが、そんなこと考えてるのは私だけでしょうか。


マイノリティーリポート

スピルバーグとトムクルーズが手を組んだSF超大作。
と言うより、あのハリソンフォードの「ブレードランナー」と同じ原作者と言ったほ うが期待させるものがあると思います。
近未来、犯罪は3人の予知能力者によっていつ誰が誰を殺害するか予測され犯罪者は 犯罪を犯す前に確保されるシステムが
確立されています。そんな時摘発する側のトムクルーズが殺人を犯すという予言がな されます。
見も知らない男を殺すはずが無いと自分の無実を信じてマイノリティーリポート「少 数派の報告書」を捜す為行動するのであります。
前評判が悪かった割りにストーリーは抜群に面白く奥の深さを感じます。
犯罪を犯す前に逮捕することは正しいのか、もしかすると別の選択があるのではない か、99%の予測で1%を無視して
犯罪者と決めつけていいのか。と考えさせる所もあるが、全体的に編集に切れがなく 展開が遅いので間がもたない所があります。
スピルバーグは説明が上手く分かりやすい映画作りで定評がありますが、そこが逆に しつこさになってしまう事があります。
こういう映画こそリドリースコットに監督してほしかったです。